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対岸は…

伊方原発の対岸では…

大津波と東京電力福島第一原子力発電所の事故で、甚大な被害をもたらした東日本大震災から11日で3年。福島県では、自宅に戻れない人は約13万人といまだに事故の影響は深刻だ。対岸の愛媛県西部に四国電力・伊方原子力発電所が位置する大分県は万一の事故の備えはできているのだろうか。県内では原発に最も近い津久見市の無垢(むく)島を訪ねてみた。


■逃げ場なし、漁船頼り

4日、豊後水道をフェリーで30分かけて無垢島を訪れた。港に降り立つと、小高い山を背に民家が密集していた。島唯一の集落で、主に漁業を営む約40人が暮らしている。ほとんどが高齢者だ。

「あの先に佐田岬が見えるじゃろ」。橋本正八区長(66)が港から沖合を指さした。岬の建物もぼんやりと見ることができた。

島は、佐田岬に立つ四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)から50キロ弱しか離れていない。東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故をきっかけに、島民の間に原発事故への不安が広がった。橋本区長も顔を曇らせる。「冬は北風が(四国の方向から)こちらに吹く。逃げるところがないから不安だ」

震災後、島では地震や津波への備えは進められてきた。県の想定では、南海トラフ巨大地震が起きれば数メートルの津波がこの島を襲う。住民らは山側に上る階段近くに昨年、テントや発電機入りの防災倉庫を新たに設け、集会所には飲み水を備えた。

だが、原発事故の対策は課題として残っている。

県は今月にもまとめる原子力災害対策の実施要領で、無垢島などの離島については、避難指示が出ていない場合でも避難を促す「先行避難」を取り入れる考えだ。県防災危機管理課は「交通手段が限られており、指示を待っていたのでは遅い」と説明する。

だがその際、脱出手段が十分に確保できているとは言い難い。津久見港と無垢島を1日1~2往復するフェリーは12人乗りで、島民全員を1度には運べない。

民間会社が運営する70~150人乗りのフェリーが3隻あるものの、市は使用協定を結んでおらず、有事に使える保証はない。橋本区長は「島に16~17隻ある漁船に乗り込んで避難するしかないだろう」と話す。

市からの情報伝達も課題だ。事故状況や避難指示などは島に備え付けのスピーカーで放送することになっているが、ある住民は「冬に窓を閉め切っていると、音が聞こえないことがある」と話す。沖に出ている漁船に、だれが無線で連絡するかも決まっていない。

離島振興法で指定された離島は全国に260あり、約42万人が住んでいる。原発に近い島の避難対策はどこでも喫緊の課題だ。

愛媛大学の二神透准教授(都市防災工学)は「住民の間で情報をどう受け取り、伝え、行動するのか、あらかじめ住民や行政で話し合いをすることが大切だ。夜の場合や、島の漁船が出払っている場合など、様々な想定をしなければならない」と指摘する。


■県の対策 住民伝達に課題

伊方原発から50キロ圏内に約4千人が住む大分県では原発事故に備えてどんな対策がとれているのだろうか。

県は昨年改定した地域防災計画に新たに原子力災害対策を盛り込んだ。被曝(ひばく)に伴う甲状腺障害を防ぐ効果が期待される安定ヨウ素剤を粉末と丸剤合わせて大人1万人分、子供1万人分用意することにした。事故の際には持ち運び型の放射線測定器を使った年4回程度の測定も全18市町村で実施する。

連絡に関しては、伊方原発で事故が起きた場合、愛媛県からファクスとメールが大分県に届き、その後に県が市町村などに光通信や無線を使った通信システムで事故に関する情報を伝える。停電した場合は無線に切り替えて、断絶しない工夫もしているという。

だが市町村が受け取った情報の住民への伝達には課題が残る。大分市の場合は防災行政無線が整備されていないため市職員が自治会長一人ひとりに電話連絡するしかない。伊方原発から50キロ圏内の佐賀関地区には自治会長が約30人もいるため、すべての住民に迅速に情報が行き渡るかは不透明だ。電話回線が被害を受ける可能性も残り市の担当者は「その場合はメールなども使いたい」と話すが、不安が残ることが否めないのが実情だ。
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